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オイラもチョイと他の理由で北海道に行ってまして、昨日帰って来たんですが、 あちらは、とにかく寒かったですよ。。。
朝の最低気温は3℃、阿寒湖の水温は7℃、ネオプレーンでも30分も入ってると 足はジンジンしてくるし、○○○なんか、アルマジロの頭の如く、縮こみあがって・・・ とにかく関東の真冬のようでした。
しかし、採集した内田ザリガニは繁殖の真っ只中で、逞しくも卵を抱えてました。 真冬には、湖上が70cmもの厚さの氷に覆われるこの湖では、水温7℃とは言っても 十分に春なんですね。(写真も撮ったのですが、現地から発送した荷物の中に カメラを入れたままで、現時点で手元にカメラが無く、届き次第写真はUPしたいと思います)
今年は、例年より2週間程季節が遅れているようで、本来の目的であった釣りも 昆虫のハッチも無く、全くの撃沈・・・。散々でした(涙)
さて、ココで『ハッチ』という言葉なんですが、またしても「さくら散るザリガニ 研究所」なるサイトでくだらん屁理屈をダラダラと並べてるようなので、その辺り で、我々の事を指して書かれている事は間違いないようなので、チョイとはっきり させておかなければ・・・・。という事で、書き込み致しました。
まずココで、『リリース』 について読んで見て下さい。 ↓ http://www.interq.or.jp/pacific/mimo/dic9.html
ここに書かれている、『ハッチアウト』(以下HOとします)という言葉なんですが、 稚ザリの一人歩きが始まった頃を簡単にHOと呼ぶようになったのですが、そもそも オイラや、道下さんが日頃の会話から使い始めて現在に至ってる訳ですが、まぁ、 最初に使い始めたのは誰?という事は今回はどーでも良い訳で、取り敢えずは、 基本的に我々が使っている言葉であることが、あの方にとっても面白くない最大の理由 になってるのでは?と、分析する次第でございます。
まぁ、この際その事について彼を否定したりするつもりではありませんが、 今後、多用される言葉ですし、我々の今後の言葉の使い方の部分でも誤解の無いよ に、ご説明しておこうかなと思いました。
彼の言う様に、海外の研究者とその事について話し合ったりする場合は、そのHO という言葉は適切ではないでしょう。しかし、これもそれなりに説明すれば、その 研究者にとっても、なるほど^^となることでしょう。
確かにハッチという言葉は羽化をさす単語です。しかし、それとは別に潜水艦等の 出口を意味する発音でもあります。 フライフィッシングでは、かなりポピュラーに使われる言葉ですが、当然、水生昆虫の 羽化を指す意味としてです。しかし、ハッチの後に、アウトは付けませんね^^
水生昆虫の場合、水中に産卵された卵から孵化し幼虫(ラーバ、ニンフ)になりなす。 ラーバがやがて蛹(ピューパ)なり、時期が訪れると、様々な方法で水面までやって来て、 亜成体(ダン)となり、羽が固まるある程度の時間を水面で過ごし、やがて成体 (アダルト)になり飛び立って行きます。
この過程の中で、俗にハッチと言われる部分は、蛹(ピューパ)〜亜成体(ダン)〜成体(アダルト) に変貌していく様を言うのですが、水生昆虫の場合、蛹にはならずに、そのまま 幼虫から成体に変貌する種もあります。
昆虫たちにとってこの時期はとても危険な時期であり、それを狙って鱒を始めとする魚たちも、 狂乱し、捕食する訳です。 そのような、凄まじい環境を乗り越え、空に飛び経つ事の出来た個体たちの中から更に、 鳥等からの攻撃を回避できた者だけが、次の繁殖に望める訳です。
その様な一連の過程をザリガニに例えた場合、母親の尾節に抱えられた卵から やがて、一人歩きするまでの姿に、とても良く似ています。 特に、極小の稚ザリが脱皮する瞬間は、水生昆虫が成虫に変貌する羽化の時の 様子にそっくりです。
水生昆虫が、危険な水面で幼生から成体に変わり、更に危険な別世界(空)に飛び立ってゆく姿。 正にこれが『ハッチ』です。
母親の懐から、その姿を少しづづ変え、やがて危険な懐の外へ旅立ってゆく姿。
これは、その水生昆虫のハッチのそれに似てると思いませんか?
確かに、単語の意味のそれだけを考えれば違う部分もあります。 しかし、日本には、和製英語なる物もあり、それは、けして海外の方には理解でき ない単語であるにも関わらす、日本では通常に使われています。また、それを今回 の方のように、それを間違いだ!と、指摘する方も余程でない限り居ないでしょう。 国内では。氷をロックアイスと称して販売してます。また、誰もがロックアイス=氷 という認識を持っているでしょう。 しかし、海外で、注文したコーラがぬるくて、『ロックアイス、プリーズ』と言っても、 まず伝わりません。まだ、『氷下さい』の方が、伝わる確立は高いでしょう。
和製英語が現在のように多用される背景には、その様子を簡単に伝えられるという 便利さがあっての事だと思います。
ここに3つの映像があるとします。
@ザリガニの交尾のシーン A水槽から脱走するザリガニのシーン B親の懐から、次々にピュ〜ンと、親離れして行くシーン
そして、『ハッチアウトはどれでしょう?』と質問した場合、恐らくはBという 返答が殆どだと思います。(稀にAという方もいるかもネ)
また、大きな潜水艦のハッチから、ゾロゾロろ沢山の人が出てくる様子も正に、 ハッチアウトですね(これもある意味、似てるかも?(笑))
さて、これで、我々が稚ザリの一人歩きが始まった事を、「稚ザリがハッチアウトした」 と言う様になったのかは、ご理解頂けると思います。
さて、次に『リリース』という言葉の使い方についてなのですが、 彼は、混乱を避けるために、『リリース』という呼び方を推奨しているようですが、 どうでしょう?
「稚ザリがリリースした」 ・・・。 なんか変です。
じゃぁ、「稚ザリをリリースした」 ・・・。 「だれが?」
「親ザリが、稚ザリをリリースした」 ^^ やっと伝わりましたね。
一体、何の混乱を避けという事なんでしょう?
一般的には、リリースと言う言葉は、逃がすとか、放流と言った認識で良く使われています。
先日TVも取り上げられてましたが、 昨今では、飼育しきれなくなった熱帯魚や、亀等を池や、川にリリースする愚か者の 報道が後を絶ちません。本来、日本の健全な生態系の維持の為に、制定されたはずの 法案が、逆に、特定外来種のリリースを促進をしてしまった訳です。
釣りの世界にも『キャッチアンドリリース』(釣った魚を殺す事なく、自然界に戻す) という、昔は推奨された行為なんですが、最近ではその是非が問われ、一部の魚種では 釣った後に、リリースを禁止された物もあります。
しかし、それとは逆に、その生体を維持する為に、リリースを義務付けられた区間や、 湖も有ります。
チョイと、話が横道にそれましたが、通常『リリース』という言葉はこのように 多用されてますね。
そこで、心配なのですが、『ザリガニ』という単語と、『リリース』という言葉が リンクした場合、混乱を避けるはおろか、混乱を招く部分の方が大きいと思われます。
従いまして、まぁ、極僅かな方だと思いますが、国内のザリ仲間より、海外の 研究者と、学術的な事で頻繁にザリのお話をする方は、混乱を避ける為に どうぞ、『リリース』と言う単語をご利用下さいませ。
彼と同じ理由になってしまいましたが、
我々は、最も大切な部分で、混乱を避けるためにも、今後も『ハッチアウト』 と、言う言葉を使わせて頂きます。
ですから皆様も、それぞれの環境や、立場でどちらが適切かを判断して 考えてみて下さい^^
では〜
ちなみに、海外では、氷=アイスキューブです^^
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